心の調律室 #003 介護はタカラモノの時間
- 松井裕子 虹の端
- 7月29日
- 読了時間: 1分

[介護はタカラモノの時間]
私がこう思うようになったのは、
認知症の我が老犬を、失踪させてしまった抉られるような心の痛みがあるから。
当たり前に、明日が来ると思っていた。
夕ご飯の準備をしている最中に、それは突然起こった。
どこにもいない?・・え?家にいない?どこからいなくなった?
地獄の始まり。逸走の管理ができていなかった自分を責めに責め、
毎日毎日、明日は帰ってくると期待して見つからない絶望の日々。
這いつくばるように、森や海や崖を草をかき分け必死に探しまわり慟哭し続けた日々。
どんなカタチでもいい、この腕に抱き上げたい。見つけたい。
結果全て叶わず、今でも行方知れず。一生消えることはない心が潰れるような痛みだ。
だから。「介護ができる時間がある」ということは
とても幸せな時間なのだと思えるようになりました。
お別れまで、手を尽くさせてもらえる時間。なんと愛しく濃厚な時間でしょうか。
こんな思いは誰にもしてほしくない。
ただ、「今、まさに生きているよね、名前を呼べるよね」
という幸せに気づいてほしいだけ。



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